暮らしのたより
内装リフォーム
シロアリ被害の傾向と対策
木造住宅におけるシロアリ被害は、ひと昔前と比べると減少傾向にあり、なかでも大きな原因のひとつとして、浴室が従来のタイル貼り工法からユニットバス設置工法に変わってきた点にあります。
通常、在来の浴室は、基礎から壁までをモルタルで塗り上げる方法で、この箇所にヒビ割れや隙間が生じ、さらに、目に見えない所で水漏れなどが起きれば、浴室廻りの土台、柱、壁等の木部はシロアリの格好の食害箇所になっていました。この点、ユニットバスの普及によって、密封された浴室にシロアリが生息する環境ができにくくなったと言うことも原因のひとつとして考えられます。
さらにもうひとつの大きな要因は、基礎が従来の布基礎からベタ基礎に変わってきたこともあげげられます。つまり、ベタ基礎によって土間の床部分を基礎コンクリートで全面覆ってしまうことによって、シロアリが地中から建物の床下へ進入する経路を絶つことができるようになり、木造住宅のシロアリ被害は大幅に減少することになりました。
しかし、現状の木造住宅では、今だ布基礎造りが圧倒的に多く、浴室をユニットバスにリフォームしても、その他のキッチン、洗面所、トイレ等の水廻り箇所の床下は今なおそのまま布基礎状態のため、床下全体をいつでも点検できる床下収納庫や点検口を設け、定期的に床下環境をチェックする必要があります。そして、早期発見と適切な対策を講じることが住まいをいつまでも長持ちさせる重要なポイントとなります。