暮らしのたより
内装リフォーム
中古住宅と住宅履歴について
従来、日本の住宅は築後10年で建物の価値はほぼ「ゼロ」になり、土地の値段だけで資産が評価されてきました。このため、日本の新築された住宅でも「25〜30年の周期」で建替えられてきました。しかし、住み手の立場からすると、住まいの資産価値が10年で「ゼロ」になるということは大変不幸なことで、このことにより、日本の家庭は所得の割りに生活面での「真の豊かさ」を実感することができないという一面がありました。
さらに、今後、人口の減少は一層進み、資金的にも余裕のない若年層も増えて、かつての高度成長期のように「土地を購入して新築住宅を建てる」ことができる層は非常に限定的となるため、これから、若年層が入手できる始めての持ち家は「新築住宅ではなく中古住宅」、を選ぶケースが増えていくことが予想されます。
しかし、中古車と同様、購入しようとする「中古住宅」は、誰がいつどの様に建てたのか、その後の点検や手入れはどの様に行われてきたのか等、建物の過去の情報が無いため、これから中古住宅を安心して購入するためには、住宅の素性が明らかなことが必要な条件となってまいります。
そこで、現在は「長期優良住宅普及促進法」という新制度が施行され、住宅の履歴や性能表示などが満たされていることが地方自治体で確認されれば、優良中古住宅の「公的なお墨付き」として認定され、購入の際には金利・税制優遇のメリットも受けられ、次世代の中古住宅の購入者は、住宅費を安く抑えたゆとりを、住宅以外の生活の余裕を感じとれる面に使えることになり、人生の選択肢も増えて暮らしの「真の豊かさ」を得られる時代が実現することが望まれます。