暮らしのたより

住まい全般

日本の住いと風水・家相について

昔の人たちが住宅を造る上で、家相や風水は、昔から重要な思想となっていました。風水と家相は、今となっては一緒に扱われてしまうことが多いものの、大昔まで辿っていくと、それぞれ別物であることがわかります。

ではまず、風水とは何か、ということから見ていきますと、風水というのは、読んで字のごとく、「風の被害に遭わない」「水の被害に遭わない」、土地選びの方法を意味していて、このような風水の土地選びの方法を基本にして、住いに当てはめたものが、家相です。

現代に置き換えれば、まさに、風水が「土地計画法」なら、家相は「建築基準法」に当たります。家相というと、なかには占いか何かのように思えるかも知れませんが、風水がそうであったように、家相もまやかしなどではなく、その土地ごとの住いの造り方を考えた、学問なのです。例えば、南国九州では、夏場の東風を考慮し、開口部は東西に、また、海に囲まれた沖縄では、開口部を設置する方角はきめず、門と玄関の位置をずらして、様々な方角からやってくる台風の通り道にしないための工夫がされております。

つまり、太陽の日ざしの恵みを巧みに住いに取り入れ、「気」をうまく住宅の中に取り込むことによって、人が健康に過すことができ、住いが200年、300年もつような住宅を造り上げていく。こうした考えが家相とされております。