暮らしのたより

住まい全般

火災による死者の7割を65歳以上が占める

住宅火災による死者数のうち65歳以上の高齢者の割合が年々増えており、なかでも80代の死者数が突出しています。その原因としては、高齢者の一人暮らしや夫婦だけの世帯、或は、同居の家族が留守で高齢者が一人の時に出火し、逃げ遅れて死に至ったケースが急増しています。

住宅火災死の54%は「逃げ遅れ」で、その多くは高齢者です。一般に高齢者は、日常の慣れや節約の気持ちから、旧式のストーブやコンロなど、比較的に火災危険度の高い、古いタイプの器具を使う傾向にあります。また、動くのがおっくうになるため、身の回りに多くの物を集めがちです。ストーブと寝具、衣類などを近くに置くなど、危険な暮らしぶりは少なくありません。実際に、高齢者の火災死亡の原因の一位はストーブで、そのうち石油ストーブからの出火が約55%を占めております。最近の石油ストーブには、給油時に消火装置などの安全装置の搭載が義務付けられていて、安全装置搭載のストーブ、ファンヒーターの普及で、火災発生を減らすことが期待されております。

また、火元になりやすい、キッチンのガスコンロにもセンサーの搭載が義務付けられて、天ぷら油の過熱を防ぐ機能や、消し忘れ消火機能、或は、立ち消え安全装置などの諸機能を搭載しています。これら安全装置があれば、コンロ使用中にその場を離れ、そのままうっかり忘れても火が広がる心配がありません。そろそろ60代ともなれば誰しも「うっかりミス」が増えてきますので、火災防止対策は命を守るためのものでもありますので、「高齢になって判断・決断が鈍る前に」、キッチンや暖房器具の火の元を安全にする早目のリフォームをお勧め致します。