暮らしのたより

住い全般

一度の転倒と骨折が寝たきりと引きこもりになることも!

元気に日々過しながら、これからも住み慣れた我が家でいつまでも暮らし続けていきたいと願う方が多いものです。しかし現実には、我が家での高齢者の転倒や転落事故が後を絶たず、それをきっかけに命に関わる深刻な疾病に至ることも多いのが現状です。

高齢に伴う老化は、身体的にも精神的にもさまざまな面で機能の低下が起こり、徐々に進行するために本人が気付いていないという特徴があります。
例えば、高齢者の約8割の方に、下肢の機能の低下が見られ、日常の生活行為でバランスを崩し転倒したり、骨折したりするケースも多く発生しております。
実態調査によりますと、自宅で起きた転倒事故の64件のうち、発生場所は「居間・部屋」45.5%、「階段」23.4%、「廊下・玄関」17.2%の順になっています。

そして、まずは生活時間の長い「居間」の環境を整えることが大切です。そこで、日常の生活動線に障害がないかをよく確認し、動線上に電気のコードがあれば部屋の隅に這わせたり、物や新聞・雑誌等を床に放置したりしないよう、整理整頓して転倒の可能性を少なくすることも重要です。
過去に転倒や骨折などを経験した高齢者の中には、「また転倒して、痛い思いをするのではないか」という恐怖感が3〜4割の方に残るといわれております。

また、「もう年なんだ」という現状を実感する方もおられます。仮に、身体的には回復できたとしても、 このような恐怖感による心理的要因で、「外に出られない」「引きこもり状態」になり、やがて生活意欲も徐々に低下、うつになったり、認知症を発症したりすることにも繋がりますので、出来るだけ、家の中の事故のリスクになる要因を減らし、高齢になってもいつまでも元気に過せるよう今から事前の予防対策をしておくことをお勧め致します。