暮らしのたより

住い全般

日本伝統の年中行事を楽しむ

この国には、季節の節目、節目に行われる伝統的な多くの年中行事があります。
それは節句や歳時、風物詩とも言われて、人の暮らしに彩りを与えてくれるものですが、そうした年中行事も、時代が変わり、世代が変わるなかで、忘れ去られてしまうことも多いものです。

若い世代の家族では、日常の忙しさに面倒と思うことがあるのかも知れません。
しかし、忙しいなかでこそ、それぞれの家族でできることを子供たちの世代にも伝えていきたいものです。季節の変化と生活を重ね合わせて生きてきたこの国の暮らし方は、自然と親しみ、季節とともに味わい、少し日常とは違う行事を体験することで教え伝えることができます。そうしてそれは子供たちの感性を豊かにするとともに、暮らしの文化を学ぶことにも通じます。

年中行事は、屋内で行うことも多いものですが、時には屋外で行われることもあり、例えば、仲秋の名月をめでる月見も、デッキやテラスなどを利用し、月見団子をお盆に盛って月に供え、ススキを花瓶に活け、家中の照明を消してロウソクの明かりだけにして見ると、銀色の月の光が思っている以上に明るいのを実感することができます。
こうしたことを家族だけではなく、時には親しい人たちと一緒にしてみるのも楽しいものです。さらには、子供を主役にして、デッキに車座になって、飲んだり食べたりしながら「竹取物語」のかぐや姫の話や、アポロ11号の史上初の月面着陸の話を子供に語り聞かせる、そんな月見のガーデンパーティーも現代に伝える年中行事といえるのではないかとも思われます。