暮らしのたより

耐震補強工事

住宅の耐震化はどこまで進んだのか?

阪神・淡路大震災から20年、あれから住まいの耐震化はどの程度進んだ状況にあるのでしょうか?

当初、阪神・淡路大震災から20年も経てば、耐震診断から工事に至る割合は5割くらいにはなるものと思われていました。しかし、診断から工事に至る「耐震補強工事率」は3割程度と低迷し、20年経っても遅々としているのが現状です。現在、国内には約2600万戸の木造住宅があり、集合住宅なども含め、国は2020年迄に耐震化率を95%にしたいとしていますが、現状ではまだ80%程度と推測されています。全体として、木造住宅の耐震性能が向上したのかと言えば、それは古い家が新しく建て替えられたというのが現状です。それでは何故耐震補強は進まないのでしょうか?一つはお金の問題です。耐震補強は一般的に約150万〜200万円ほどかかる。しかし、築年数が古い耐震性の低い家だったり、基礎の劣化対策が必要だったりすると費用は200万円後半か、それ以上の費用が必要となります。震災が起きた直後は「危ないから」とか、「家族の命を守らないと」と思ってすぐ工事をやられる方はおられます。しかし、時間が経つにつれてどんどん風化して行き、耐震にこれだけの費用をかけるなら、キッチン・浴室や外壁のリフォームにしようかなとなってしますのが実情です。そこで、これからの木造住宅は性能向上リフォームが主役になる方向ですので、単に診断して補強するのみでなく、住宅そのものの全体的な価値を 高める上で「耐久」という領域も加えて耐震性の向上を進めることが必要となります。